日々アウトプット

アウトプットの習慣づけを目指す30代OLブログ

認知バイアス辞典

 

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amazon.co.jpより)


情報を正しく選択するための認知バイアス事典 | 情報文化研究所, 山﨑 紗紀子, 宮代 こずゑ, 菊池 由希子, 高橋 昌一郎 |本 | 通販 | Amazon
を読みました。

ここのところ、心理学に対する興味が強く入門書として分かりやすそうなこちらの書籍を選んでみました。「論理的アプローチ」「認知科学的アプローチ」「社会心理学的アプローチ」の3つの構成に分かれておりそれぞれ20の認知の歪みを簡単に図などを交えながら説明してくれています。

「論理的アプローチ」は私には難解で本を読み切るのを挫折しかけたのですが、残りの二つのアプローチは身近で分かりやったです。

どれも思いあたるふしのあるものばかりで、自身の中に意識的・無意識的に様々なバイアスを持っているのだと知ることができました。そして、それは私単体だけでなく、いろんな人に起こりやすい傾向であることを実験結果などをもとに説明してあります。

人間の脳はどんな精密機械よりも優れているなどと耳にすることがありますが、この本を読んでいると、人間の脳は勘違いしやすく騙されやすい一面も大いに持っているのだなと感じました。

特に興味深かったのがフォルス・メモリと公正世界仮説です。

フォルス・メモリは経験していない事柄を経験したかのように思い出したり、後から得た知識で元の経験が改変されるすことを差すそうです。そんなばかな~と思ったのですが、確かに時間の経過とともに夢だったのか現実だったのか分からなくなる出来事ってあります。昨晩のごはんすら思い出すのが難しくなっている最近の私なので、記憶がいかに曖昧で改変されやすいものなのか、ちょっと怖さも感じつつも、でもとても興味深いです。現代人はただでさえ膨大な情報を日々受け取り脳が慢性的に疲弊している方も多い気がします。なのでそもそもメモリの許容量も減っていそうです。記憶違いを防止するのはなかなか難しそうだなと感じました。。

公正世界仮説は善い行いは良い結果を生み、悪い行いは悪い結果を生むという考え方です。努力が報われなかったり、善人でも不幸という世の中の不条理や未来への不安から心理的に回避するためにこのような考え方になるそうです。先日たまたま、日本人は因果応報を信じる傾向が西洋人に比べて強いという記事を読んだところでした。西洋人は「自身の不幸を運が悪かった」と解釈するのに対して日本人は「日頃の行いが悪いから」「この間●●したから」といったように考える傾向があるそうです。日本人である私たちは公正世界仮説へのバイアスが強い傾向にあるようです。良い結果の時は良いのですが、悪い結果の時は自己肯定感が大幅に下がる危険があるので注意が必要だなとかんじました。

自身を振りつつ読んでいると、あれもこれもバイアスだらけだと何度も苦笑せずにはいられませんでしたが、まずは知ることが第一歩。日々の生活の中の何気ない会話や自身の考えの中にも本書に書いてあった様々なバイアスを見つけたりして、「あ、これはチェリーピッキングかも」なんて思ったり、相手の発言に対して「藁人形論法使ってきたな~!」なんて心の中で思ったりしています笑。

今までとは違う新しい視点を知れたこと、出来事を違う観点で見られるようになったとは大きな収穫でした。