EQトレーニング
今週から週間タスクの中にEQ開発を導入することにしました。
そのきっかけとなったのが、「EQトレーニング」(髙山直著)という本。
マインドセットの本やNon-violent Communication (NVC)の本を読む中で、自身の感情を知るということの必要性を感じていたのですが、本書を読んでEQがまさに、私に不足している能力だと思いました。私自身まだ始めたばかりですが、自分の感情が分からない、感情に蓋をしてしまいがちな人にはこのトレーニングは効果的だと思います。
■EQとは
Emotional Quotients/こころの知能指数のこと。1990年に発表された理論で「感情を上手く管理し、利用できる能力」のことを言います。近年IQ以上に注目され、ビジネスや教育など多方面で活用され始めています。
EQは心の筋肉のようなものです。トレーニングによって伸ばすことができる一方で、怠ると衰えてしまいます。大人は感情に蓋をしている人が多いため、EQトレーニングによる良い効果が期待できます。
混同しがちですが、性格と感情は別ものです。性格はその人の性質を指します。ネクラやネアカといった性質の人どちらも笑ったり泣いたり(感情)するように、切り分けるて必要があります。性格に良し悪しはなく、それをまるごと受け止め、感情を上手くコントロールすることで自身へも他者へも良好な状況を作ることができます。
■EQによる効果
メンタルヘルス不調の予防になる
EQを開発することで、感情のスイッチの切り替えがうまくできるようになり、リフレッシュなどを上手に取り入れることができるようになる。自身の感情を理解しているので、嫌なことへの対策が可能です。また、嫌なことに対して周りに感情を爆発させることなく伝えることができます。
人付き合いや交渉がスムーズになる、生産性が上がる
自身の感情が理解できるようになると、自然と相手の感情を理解しようとするように人間はなっていくので、その過程で共感力が身につきます。相手の表情を理解しようとしたり、感情を想像しようとすることにより、相手の求めていることが理解できたり、相手の必要としていることを先回りできるようになります。
人生の質を変えることが可能
感情は心身と密接にかかわっています。日々の感情の積み重ねが心や体の状態に影響を与えるということは、感情を日々上手にコントロールできることは心身の健康向上となり、人生の質を高めることに繋がります。
■EQの能力
大きくわけて4つ、さらに細かく12種類(かっこ内)に分類されます。
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感情の識別(自己自覚力/他者察知力/感情語彙力):気持ちを感じる。自分と相手の感情を識別する。EQ発揮のための最も重要な軸。
- 感情の利用(感情抑制力/感情総出力):気持ちをつくる。問題、課題を解決するために感情を生み出す。
- 感情の理解(感情分析力/感情推察力/感情共感力):気持ちを考える。今起こっている感情の原因を理解し、その変化を予測する。
- 感情の調整(感情統合力/感情秘匿力/感情表現力/一時静止力):気持ちを生かす。上記3つの能力を発揮し、望ましい決定をするために感情を活用する。
■EQの開発方法
感情の自覚
なによりも自身の感情を自覚することが大切です。感情は無意識に発生し、体験している時には感情そのものになっているので、感じているという「事実」を自覚していません。感情を自覚するには、以下のような方法が有効とのことです。
①感情日記をつける
その日の終わりに今日一日、どんな気持ちで過ごすことが多かったかを記録しておく。嬉しかった出来事、悲しかった出来事など出来事に対する自身の感情を1日1行記録していく。
②その都度感情を確かめる
カッとなった時に「私かなり怒ってるな~」「腹立つな」などや「つらいな」「悲しいな」「嬉しいな」「幸せだな」など自身の感情をその都度観察するのも良いです。また、朝昼夜など一日の一定タイミングで自身の心の状態を見るのも良い。
上記の観察を続けていくと、次第にどんな事柄にどういう感情が芽生えやすいか、1週間の感情の変遷など、自身の感情の傾向を知ることができます。
EQの12分類のうち、1つか2つを重点的に取り組む
上述したEQの4大分類をさらに細かくわけた12分類の中から、必要と感じるものや開発したいもの、EQ指数が低かったもの(EQ指数の測定を本書で受けることができます)から1つ2つをピックアップして2カ月間トレーニングします。
12分類にそったEQ開発の行動ヒントが本書に記載されているので、参考にしてみてください。トレーニングといっても、時間がかかるものではなく、1日ほんの少し意識を変えてみることでできるものが殆どです。
私は欲張って「自己自覚」「感情推察」「感情抑制」の3つのトレーニングを同時に始めていますが、以下の3つをしています。
・「自己自覚」→感情マップ・1行日記・1日3回(朝昼夜)に感情の確認
・「感情推察」→1日のスケジュールを確認し、感情の動きを想像する
・「感情抑制」→1時間ごとに深呼吸
・上記の達成度を記録する
感情マップと1行日記、達成度は寝る前に少し書く手間がありますが、すぐに終わるので負担にはなっていません。
2か月後に再度EQを測定しどうなったか、また記録しようと思います。